この記事では次のことをお伝えします。
- テレビドラマの撮影スケジュールはどうなっているのか?
- 実際の撮影現場の様子とは?
- 撮影現場での人間関係に役立つポイントとは?
多くの人にとって、もっとも俳優を目にする機会が多いのはテレビドラマではないでしょうか。
これは俳優を目指している人にとっても同じことで、テレビドラマを見て自分も俳優になりたいと思った人も多いはず。
かくいう私も、子供のころ、あるテレビドラマを見て感動し、自分も画面の向こう側の世界へ行ってみたいと思ったのが俳優の道へ進んだ原点でした。
人気の若手俳優や味のあるベテラン俳優、または独特の雰囲気の個性派俳優…
魅力あふれる俳優たちが繰り広げるドラマの世界は、身近な娯楽の王様としてキラキラ輝いて見えます。
しかし、実際に画面の向こう側へ足を踏み入れてみますとキラキラ輝いているのは編集された映像の中だけ。
現実の撮影はスケジュールの面では肉体的にかなり過酷ですし、撮影現場も常に和気あいあいとした雰囲気というわけではなく、精神的にもかなりハードなものがあります。
そこで「現役俳優が教えるドラマ撮影スケジュール~撮影現場のリアルな様子も!」と題して、人間関係などにも役立つポイントに触れながら、詳しく解説していきます!!
【現役俳優が教える】ドラマ撮影スケジュール
過酷⁉ドラマ撮影の現実とは
俳優の仕事の中でもテレビドラマは特に時間にシビアです。
基本的には
で撮っていきます。
人気俳優の皆さんが顔を揃えるテレビドラマでは、それぞれのスケジュールを調整しながら撮っていくわけですから、シビアになるのも当然です。
また
ということもポイントです。
この日のこのタイミングじゃないとこのシーンが撮れない!ということの連続です。例えば…
- 屋外でのロケともなると、天候にも左右されます
- 真冬に半袖で初夏のシーンを撮ったりもします
- 早朝から深夜まで撮影が続くことも日常茶飯事です
テレビの世界は一見華やかに見えるけど、その実はかなりハードだとお伝えしたのもそういうことなのです。
- テレビドラマ撮影は短期集中
- いつも同じ場所で撮影が行われるわけではない
それでは具体的にテレビドラマの撮影スケジュールとはどんなものなのか見ていきましょう。
ドラマの撮影期間とは?
現在放送されている民放のドラマは
つまりテレビ局は、例えば月曜夜9時から放送のドラマを1年で4本作っている、ということになります。
そう考えると、結構多いと思いませんか?
そして実際の撮影期間ですが
というのが多いと思います。
そう、連続ドラマは基本
ということになります。
しかも3か月で10~11話あるドラマを、4~5か月ほどで作っているのです。
これだけでも随分ハードなスケジュールだと思いませんか?
またこれはよく聞く話かと思いますが、脚本の順番通りに撮影されることはまずありません。
いきなりラストシーンから撮り始めるということも普通にあることです。
また基本的には1話目から順番に撮って行くのですが
または3話の、あるシーンだけを先に撮っていく
ということもあります。
これも前述したように、出演者のスケジュールや撮影場所の都合によるということです。
例えばロケで実際の建物を使う場合、何日もその場所を借りることはできないので、その場所を使うシーンは前後関係なくまとめて撮ってしまう、ということです。
- 基本的な撮影期間は4~5か月
- ドラマは作りながら放送している
- 脚本の順番に関係なく、撮影場所や出演者の都合最優先で撮影していく
撮影当日の流れとは?
さて、全体的な撮影スケジュールをご紹介しましたが、撮影日当日のスケジュールはどのようになっているでしょうか。
参考までに、私のある撮影当日の流れを見てみましょう。
6:30 | 都内某所集合。ロケバスで撮影現場へ |
---|---|
8:30 | 撮影現場到着 |
8:40~9:00 | 衣装、メイク |
9:30~12:00 | 撮影 |
12:00~13:30 | 次の撮影場所へ移動・昼食 |
14:00~16:30 | 撮影 |
17:00 | 終了・解散 |
撮影はとにかく朝が早いです。
早いときは集合が朝の5時台などということもあります。
もちろん自分の出演シーンにもよりますので、夜遅くに集合ということもあります。
とにかく
ということです。
主演クラスになると、夜遅くまで撮影して、次の日は早朝から…なんてこともあります。
ここまでくるとまさに体力勝負ということになってきます。
撮影現場のリアルな様子と人間関係に役立つポイントとは
さて、ここまでは撮影スケジュールについて見てきましたが、俳優を目指す人にとっては実際の撮影現場の様子も気になるところでしょう。
私も初めてドラマの撮影現場に行ったときは、有名な俳優さんたちを目の前にとても緊張し、どこにいたらいいのか分からないといった感じでした。
撮影現場には実にたくさんの人たちがいます。
出演者はもとより、スタッフやマネージャー、その他いろいろな関係者が大勢います。
スタッフも、プロデューサー、ディレクター、カメラマン、音響、照明、美術、衣装、メイク、持道具、進行…などなど、実に細分化されています。
人が多く関わるということは、当然そこでの人間関係も大切になってきます。
そこでここでは、実際の撮影現場の様子と撮影の流れ、そして人間関係について見ていきたいと思います。
撮影現場の様子とは?
撮影は基本的にはスタジオでの撮影とロケでの撮影があります。
例えば医療ドラマで病院が舞台の場合
- 病院の外観や入り口、エレベーターホール、長い廊下などは実際の病院を使ってのロケ
- 診察室や手術室などはスタジオでのセット
といった具合です。
中にはこんな場所までセットで作っているの?とびっくりするような場面もあります。
スタジオでの撮影の場合は基本的に出演者には楽屋が用意されています。
自分の名前が貼ってある楽屋があるというのは、俳優を目指す人にはちょっとした憧れかもしれませんね。
私も初めて自分の楽屋が用意されていた時は感動したものです。
すべてのスタジオが同じような作りというわけではありませんが、一般的には
という部屋があり、そこで衣装に着替えたり、メイクをしてもらったりします。
ロケの場合は、ロケ現場の近くに控室が用意されているか、またはロケバスがそのまま控室代わりになったりします。
撮影の流れ
撮影は
ドライ→テスト→本番
という流れで行われます。
セットの中でカメラを使わず俳優がセリフや動きを演じ、演出・技術・美術などの各スタッフがチェックする立ち稽古的リハーサルのこと
カメラの位置やカメラ割りなどがこのドライで決まる
ドライとは、撮影機材がまだ使われていない段階、という意味
ドライの後にスタッフの打ち合わせがあり、その後カメラを使ってのテスト、そして本番、という流れです。
こうして説明すると、丁寧に時間をかけて作っているように思うかもしれませんが、ドライはざっと1回流すだけ、テストも1回だけですぐに本番、ということも少なくありません。
つまり
ということです。
これこそドラマ撮影は短期集中だということです。
短い期間で多くのカットを撮影しなければならないのです。
ひとつのシーンに長い時間をかけてはいられません。
逆に言えば俳優は
ということです。
決して華やかでチヤホヤされる世界ではないのです。
- 俳優は最短で本番まで2回しか練習できない
- 短時間でシーンを成立させる力がないと使ってもらえない
現場での人間関係に役立つポイントは?
多くの人が関わり、しかも短期集中で撮影していくうえでは、人間関係も大切になってきます。
とは言っても特別に気負うことはありません。
キチンと元気よく笑顔で挨拶し、常識的に振舞っていれば問題ありません。
もちろん「俺は芸能人だ」みたいな態度は論外ですが、へんに自信なさげなのもよくありません。
『この役でやってほしい』という人がいるからには、一つの正解が出ているから、『僕なんて』『僕はダメですよ』って言って、緊張していたら意味がないと思う。“自分なんて……”と思わないように、いつでもしています。どこの場所でも。
これは人気俳優のムロツヨシさんの言葉です。
謙虚さは新人だろうとベテランだろうと必要です。
しかし
なのです。
大切なのはそのバランス。
撮影現場で良い人間関係を構築し、その上でさらに自分のパフォーマンスを十分に発揮するために、ぜひ心がけたいポイントです。
- 謙虚さと同時に自信も必要
現役俳優が教えるドラマ撮影スケジュール:まとめ
いががでしたか?
短期間で高いパフォーマンスを求めらるドラマ撮影は、テレビ画面からは想像できない過酷さがあります。
しかしその過酷さの中にあっても、監督が自ら現場を盛り上げ、出演者も自信を持ってのびのびと自らの能力を発揮し、キャスト、スタッフ全員のチームワークが良い作品は、自ずとその雰囲気が画面に表れてきます。
私の経験からすると
ように思います。
また、スケジュール管理や現場での人間関係は、なにも俳優の世界に限ったことではなく、どんな仕事でも通じることです。
どんな状況でも常に自分のベストパフォーマンスが発揮できるよう、少しでも参考にしていただけたらと思います!!
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