この記事では上記のような悩みにお答えします。
自分の経験を踏まえ、実際のCMオーディションの様子やポイントなどを、分かりやすくお伝えします。
CMオーディション実際の流れ
では早速、実際にCMオーディションはどのように行われるのか、流れを見てみましょう。
①控室でオーディションシートに必要事項の記入
⬇
②写真撮影
⬇
③オーディションの絵コンテ確認
⬇
④オーディション会場へ移動
⬇
⑤簡単な自己紹介
⬇
⑥カメラテスト
⬇
⑦実演
⬇
⑧質疑応答
以上のような流れになります。
では、ひとつづつ詳しく見ていきましょう。
①控室でオーディションシートに必要事項の記入
通常は、実際のオーディション会場とは別に、オーディションを受ける人達が集まる控室があります。そこでまず、オーディションシートに必要事項を記入します。
記入する内容は
- 名前(フリガナも書く)
- 年齢(もちろんサバなど読まず正確に)
- 所属事務所名
- 連絡先電話番号(所属事務所の電話番号でOK)
- スリーサイズ(男女問わず必須)
- 足のサイズ
- 頭のサイズ
- 服のサイズ(S/M/Lや7号/8号/9号など)
- これまでの出演作品(ドラマ、CM、映画と、ジャンル別に、あれば3つくらい用意しておくと良い)
- 特技
などが一般的です。逆にこれ以外で記入を求められたことは私はありません。
注意点としては
|
などがあります。
オーディションは控室であっても緊張するものなので、上記のような事柄は事前に書き出して、スマホなどに保存しておくと良いでしょう。
オーディションシートに記入することは、事前にまとめてスマホなどに保存しておく
②写真撮影
オーディションシートに記入が終わった人から順番に写真撮影があります。
すでに書類選考の時点で、所属事務所からプロフィール写真は相手側に送られていますが、あらためて写真撮影があります。
プロフィール写真は、人によっては実物とだいぶ違う場合もありますからね…。
オーディションシートに貼る用にインスタントカメラでの撮影と、デジタルカメラでの両方で撮影されます。
眼鏡をかけてる人は、眼鏡あり、なしの両方で撮影される場合が多いです。
控室の中の壁際や廊下などで、スタッフの方が撮影します。
名前を呼ばれたら、指示に従って撮影してもらえばOKです。
プロフィール写真以外に、オーディション当日にも写真撮影がある
③オーディションの絵コンテ確認
次に、実際にオーディションでやってもらう場面の絵コンテが用意されていますので確認します。台詞などがある場合は、その場で覚えます。
またオーディションによっては、特に覚えるセリフもなく、絵コンテもない場合もあります。
絵コンテは事前に送られてくる場合もありますが、機密情報(絶対に外部に漏れてはいけないマル秘情報)なので、その場で渡されることがほとんどです。
短時間で確認しなければならないので、初めての場合は焦るかもしれませんが、みな同じ条件なので、落ち着いて対処しましょう。
セリフは完璧に覚えられるに越したことはありませんが、審査員が見ているのは、台詞を短時間で覚えられるかどうかではないので、細かいセリフの間違いよりも、シーンのおおまかな流れをつかむことを意識しましょう。
絵コンテの確認は短時間の場合もあるが、焦らず、細かいセリフよりも大きな流れをつかむことを心がけるべし
④オーディション会場へ移動
名前を呼ばれたら、スタッフの指示に従ってオーディション会場に移動します。一人づつの場合もありますし、複数人同時にオーディションを受ける場合もあります。
会場に入るときは「失礼します!」と元気よく挨拶をして入りましょう!!ここで気後れしているようではいけません。
必要以上に大声を出す必要はありませんが、常識の範囲で、礼儀正しく堂々と入室しましょう。
よく「会場に入るときからすでに審査は始まっている」…などと言われることもありますが、私の実感としてはそれはありません。
しかし、会場に入るときからその場の雰囲気に飲まれてしまっては、良いパフォーマンスはできません。
そういう意味で、自分の気持を落ち着かせるためにも、元気に堂々と挨拶をして入室しましょう。
オーディション会場に入室の際は、あくまで自分の気持を落ち着かせるために、元気に堂々と
⑤簡単な自己紹介
オーディションでまず最初にやらされること、それは自己紹介です。
ほとんどの場合、カメラに向かって簡単な自己紹介をお願いします、と言われます。
ここで初心者が悩むのが
「簡単な自己紹介」とは、どの程度しゃべればよいのか?
ということではないでしょうか。
結論から言うと、自己紹介は「所属事務所」と「名前」くらいで良い、ということです。
それ以外に、もし他のことを付け足す場合でも、なるべく手短に、簡潔に、一言で終わるくらいがいいでしょう。
私の経験からですが、これまで合格したCMオーディションは、ほとんどすべて「所属事務所」と「名前」(場合によって「年齢」や「出身地」)くらいしか話していません。
逆に言えば、自己紹介の内容が決め手となってCMオーディションに合格したと思えることは一度もない、ということです。
いくら、私はこんな人間です、こんなことができます、性格はこうで、将来こんな俳優になりたいと思っています、などと言われても、審査する側にとっては、正直あまり関係ありません。
CMの作り手からすると、あなたがどんな人間であろうと、このCMのキャラクターとして合っているかどうかだけが問題だからです。
たまに、2分も3分も長々と自己紹介をしている人がいますが、審査員はほとんど聞いていません。それどころか、困ったな~と苦笑いを浮かべています。
CMのオーディションは、それこそ一日に何人もの人を見なければなりません。審査する側も時間との勝負なのです。オーディションを受ける側も、そのことを十分認識する必要があります。
ただ、もちろん例外もあります。
例えば1分間で自己紹介をしてください、と言われた場合、その時はあまり短すぎてもいけません。
こういう場合は、決まったセリフではなく、フリートークがどれくらいできるかを審査員は見ているのかもしれないからです。
そのあたりは臨機応変に対応していきましょう。
- 簡単に自己紹介をと言われたら、必要最低限のことを完結、手短に。「〇〇事務所所属の〇〇〇〇(名前)です。よろしくお願いします」くらいでも大丈夫。なにかアピールする場合でもなるべく手短に
- 指示があれば、その指示の意図を汲んで、臨機応変に対応する
⑥カメラテスト
自己紹介が終わると、続けてそのままカメラテストになります。
といっても難しいことでなく、その場で時計回りにまわってくださいと言われるので、ゆっくりまわります。
普通は全身と顔のアップの両方を撮るので、2回まわることになります。スタッフの指示に従えば大丈夫です。
カメラテストは、その場で2回まわるだけ
⑦実演
さて、いよいよ実演です。やはりここが一番のポイントとなります。
実演のやり方は、オーディションの内容によって様々で、一人づつ演技をする場合もあれば、何人かで組まされて演じる場合もあります。
また相手役をスタッフの方が演じてくれる場合もあります。
誰かと組まされる場合、誰と組むかはこちらでは決められないので、そこは運としか言いようがありません。
また、複数人同時に会場に入る場合、演じる順番もこちらでは決められないので、これも運としか言えません。
最初だったら、誰の影響も受けずに自分の演技に集中できるでしょうし、最後だったら、前の人の演技を見て、自分の演技プランの参考にできるかもしれません。
演技は、まず最初は自由にやって、その後、次はこんな感じで、と指示されることが多いです。
指示された場合は、ガラッと変えるくらいの気持ちで演じましょう。
というのも、特に初心者の場合、自分が思っているほど変化が付いていない場合がほとんどだからです。
ちょっとやり過ぎたかな、と思うくらいでちょうどいいものです。
またCMですから、当然カメラに向かって演じます。演技はすべて録画されます。
ここでひとつ注意点があります。オーディション会場にいる人が審査員であるとは限らない、ということです。
監督やクライアントがオーディション会場にいる場合もありますが、多くは撮影スタッフがいるだけで、審査そのものは、撮った映像を後ほど監督やクライアントが見て審査する、という場合も少なくないということです。
なので、スタッフの反応がイマイチだったとしても、特に気にする必要はありません。
実際、私もこんな経験がありました。
このように、スタッフの受けがいくら良くても、監督やクライアントの評価は全く別物です。
また逆に、会場に監督やクライアントが同席している場合は、その反応が合否に直結する場合が多いです。
私も、オーディションで監督の反応が良く、結果、やはり合格だったということもあります。
どちらにしても結果が出るまでは、オーディション会場にいる人の反応はあまり気にしないほうがいいでしょう。
- オーディションに運はつきもの。気にせず受け入れよう
- 指示が出たら思い切って変化をつけよう
- 監督やクライアントがオーディション会場にいるとは限らない。撮影スタッフの反応は気にするべからず
⑧質疑応答
ほとんどの場合は、⑦の実演で終了しますが、中には演技が終わったあとに、監督やクライアントから質問されることがあります。
この場合、なにかしらあなたに興味を持ってくれている可能性があるので、誠実に丁寧に答えましょう。
質問されたらチャンス!でも、気張らず誠実に答えよう
以上がCMオーディションの大まかな流れになります。
続いて、CMオーディションを受ける際のコツやポイントを見てみましょう。
CMオーディションに受かるためのコツやポイントとは?
まずはじめに身もフタもない話をしてしまいますが、CMオーディションは、演技の上手下手はあまり関係なく、その人がCMのイメージに合っているかどうかが最大のポイントです。
CMに登場するキャラクターに合っていれば合格するし、合っていなければ、いくら演技が上手でも受からない、ということです。
要はイメージに合うか合わないか、ただそれだけなのです。
そうです、ほとんどは「運」なのです。
なんだ、それじゃCMオーディションに受かるコツやポイントなんてそもそも無いんだな、と思ったあなた、チョット待って!運を手繰り寄せるコツやポイントならありますよ!
CMオーディションでのビギナーズラックとは?
皆さんはビギナーズラックという言葉をご存知でしょうか。
ギャンブルの世界では、このビギナーズラックのおかげでどんどんと深みにハマってしまった…なんて話もよく聞きます。
実はCMオーディションでも、同じようなことがあるんです!
何を隠そう、まさしく私がそうでした!!
生まれてはじめて受けたCMオーディションに、なんと受かってしまったのです!
しかも、誰もが知っている超大手保険会社のCMです。倍率も相当高かったと思います。
私自身、受かるとは全く思っていませんでしたし、そもそも初めてのCMオーディションでしたので、オーディションとはどんなものか様子を見てこよう、くらいの気持ちでした。
それがいきなりの合格!
そして実はここにこそ、運を引き寄せるポイントが隠されていたのです。
CMオーディションは受かろうと思い過ぎない
初めて受けたオーディションでいきなり合格してしまった私。
しかし、その後は書類選考は通るものの、なかなか合格することができませんでした。
そんなときマネージャーに言われたのが
「受かりたいと思い過ぎないことだよ。もっとオーディションそのものを楽しむくらいの気持ちで臨んでごらん」
というものでした。
まさしく、私が初めてオーディションを受けたときの気持ちです!
初めて受けたオーディションに受かってしまった私は、その後は、また受かりたい、どうしてもゲットしたい、と強く思うようになっていました。
結局はその気持が、運を遠ざけていたのです。
マネージャーからの助言を受けて、合否よりもオーディションそのものを楽しむことを心がけた結果、次の合格をつかむまで、それほど時間はかかりませんでした。
CMオーディションはとにかく清潔を心がける
先ほど、CMオーディションは受かろうと思い過ぎないこと、と言いましたが、だからといって手を抜いていい、ということではありません。
リラックスしてオーディションを楽しむためには、それ相応の準備と努力が必要になります。
まず大前提として、CMは、清潔感、清涼感というものが必須条件です。商品を宣伝するCMに出演する人が、不潔であったり、相手に不快感を与えるようでは問題外です。 |
たとえどんな役柄であっても、第一印象が清潔であること。
- 髪型
- 眉毛や鼻毛カット
- スキンケア
- 服装
- 体臭
これらのことは基本中の基本です。
最近の若い人は、男性でも眉毛カットやスキンケアに抵抗がない人が多いと思いますが、私のような中年世代では、男が眉毛カット?みたいな風潮がありました。
でも、私達が仕事をしようとしている芸能の世界は、そういうところなのです。
普通のサラリーマンであれば、多少眉毛がボサボサでも、仕事ができれば問題ないかもしれませんが、芸能、ことCMオーディションに限っては、ボサボサ不潔な眉毛ではアウトなのです。
もし、そんなの関係ないじゃんと思っている人がいたら、この世界には向いていないということになります。
CMオーディションでの服装について
オーディションを受ける際の服装ですが、通常は何かしらの指定があります。
例えば
|
などです。
自分は普段、黒しか着ないので、服は黒しかありません、ではいけません。
特に高価なものを用意する必要はありません。ユニクロなどのファストファッションで十分です。
自分が受けるであろうと予想される服装は、あらかじめ考えて用意しておきましょう。
また、男女問わずスーツは必須です。革靴なども必要ですので、持っていない人はそろえておきましょう。ユニクロでも買えます。
年齢にもよりますが、特に男性はスーツが指定される場合が非常に多いです。ようはサラリーマン役が多いということです。
また、スーツは普段から着慣れていないと、なんとなく違和感が出てしまうものです。俗に言う「服に着られてしまっている」という感じです。
オーディションのときだけでなく、日頃からスーツを着る機会を意識的に持つと良いでしょう。
CMオーディションの流れとポイント~まとめ
以上、CMオーディションについて、特に初心者に向けて、その流れやポイント、コツ、注意点などをまとめてみました。
オーディションの実際の流れについては、かなり詳しく書きましたので、具体的にイメージしていただけたのではないでしょうか。
また、CMオーディションに受かるためのポイントや注意すべき点も、私の経験をもとにお伝えしました。
CMオーディションは、とにかくイメージに合うか合わないかですので、落ちても気にせず、とにかく数多く受けるしかありません。
そして、その中でも常に楽しむこと!
私はオーディション会場で、他の人が演じているのが見られるときは、楽しく見るようにしています。
面白ければ笑ったり(もちろん声に出さずに、ですが)しています。そのくらい、その場を楽しむ気持ちが大切だということです。
そして、オーディションを楽しむために、日頃の準備と努力が必要なのです。
私の知り合いの俳優で、CMオーディションによく受かっている人がいるのですが、彼はオーディションに着ていくTシャツにさえ、アイロンをかけると言っていました。
オーディションの中でもCMはとにかく清潔感、清涼感が大切です。見えないところにまで気を配れるくらいじゃないとダメだということです。
そしてその準備と努力が、結局はオーディションを楽しめる心の余裕につながるのです。
CMはテレビドラマと違って、何回も何回も繰り返し放送されます。普段はテレビを見ない友人からも、CM見たよ!と連絡がきたりします。
それはやはり嬉しいものです。
また、自分が出演しているCMの商品が売れてくれれば、自分を採用してくれた企業に貢献できた喜びも感じられます。
この記事が、少しでもCMオーディションを受ける人の参考になれば嬉しいです。
お互い、頑張りましょう!!
若い新人俳優はスーツを着る機会がそもそも少ないもの。新人俳優くんサラリーマン経験もないし、スーツなんて成人式で着たくらいかな…でも、CMオーディションではスーツ着用が指定されることが多いのも事実。私の経験だと、オーディシ[…]