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『英国王のスピーチ』あらすじと感想 アカデミー賞受賞のキャスト・スタッフも紹介!

  • 2020年7月16日
  • 2021年1月10日
  • 洋画

人の心を打つスピーチ、心を揺さぶる言葉とはどんなものでしょう。

今、世界は未知のウィルスの恐怖にさらされ、人々の生活は立ち行かなくなっています。

先の見えない不安ばかりが募る毎日。

そんな中、リーダーの言葉はますますその重みを増しています。

英国王ジョージ6世の苦悩と努力と友情の物語。

圧巻のラスト9分間に及ぶ魂のスピーチ。

彼が魂の言葉によって、自ら真の国王になっていく瞬間を、あなたは目撃します。

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『英国王のスピーチ』あらすじと感想~吃音症に苦しむ英国王ジョージ6世の物語

苦悩

今回ご紹介する映画は、日本では2011年に劇場公開された『英国王のスピーチ』です。

この作品の見所は、なんと言ってもラスト9分間に及ぶ、主人公ジョージ6世の感動的なスピーチです。

しかし彼は、もともとスピーチが得意だったわけではありません。

それどころか逆に、吃音症(どもり)で子供の頃から悩んでいて、人前でしゃべるのはとても苦手でした。

国王になる前の皇太子・アルバート王子の頃から、王族の一員としてスピーチしなければならないのですが上手く話せない。

国民の期待に応えられていないことを痛感して、彼自身、非常に悩んでいたわけです。

出会い

そんな苦悩のなか出会ったのが、ライオネルという言語療法士でした。

その治療法は、一般のドクターとは違って破天荒と言いますか、とてもユニーク。

最初はその型破りな治療法で二人はぶつかるのですが、ライオネルの指導のもと、スラスラしゃべっている自分の姿を王子は目の当たりします。

また、吃音症を治す上でライオネルが最も大切にしていたもの、それは、二人の信頼関係でした。

吃音症というのは単に言語機能の問題だけでなく、子供の頃のトラウマなど、精神的な要因が関係しているとライオネルは考えます。

そうした要因を取り除くためにも、たとえ相手が王族であろうと、あくまで信頼できるひとりの友人としての関係を築こうとします。

 

運命の国王

アルバート王子は次男でした。

本来であれば兄が国王になるはず。ところが兄は、離婚歴のある女性と結婚したいと言い出した。しかしそれは英国国教会としては認められない。

結局兄のエドワード8世は即位してわずか1年で退位し、アルバート王子がジョージ6世として即位することになります。

なりたくて国王になったわけではなく、ならざるを得なくてなってしまったジョージ6世。

国王としての運命を受け入れ、国民の期待に応えようと、ライオネルと一緒にさらに努力を重ねます。

そしてその努力の結晶が、ラスト9分間の感動的なスピーチへとつながっていくのです。

真の国王へ

このスピーチは、第二次世界大戦開戦にあたり、国民に向けて勇気と団結を求めるものでした。

ライオネルと二人だけの放送室。

ライオネルは言います。

「私に話すようにしゃべりなさい」と。

ジョージ6世は、信頼する友に語るように話し始めます。

そして、ひとりの信頼する友に語っていた言葉は、やがて多くの国民をひとつにする、力強い言葉になっていったのです。

真の国王とは何かと問い続け、悩み、苦しみ、そしてようやく絞りだされた魂の言葉だからこそ、国民の心を打ったのでしょう。

あれほど苦手だったスピーチ。そのスピーチを通して、自分自身が真の国王になっていく。

それはまるで、サナギが自ら殻を破って、大きく真っ白な羽を広げ、美しく高貴な蝶になっていく姿を見ているようでもあります。

まさに、圧巻の9分間なのです。

今、この世界の状況で、この作品を観る意味

今、コロナ禍で、日本に限らず世界が混乱しています。

その中にあって、リーダーの言葉はますます重みを増していくでしょう。

今、世界は未知のウィルスを相手に、ある意味戦争状態のようなものです。

各国のリーダーの言葉によって、励まされ、勇気をもらい、一致団結して前に進んでいけるのだと思います。

逆に恐怖心を煽る言葉に扇動され、間違った方向に進んでしまうことだってある。

この映画の時代だったらヒトラーのような人でしょうか。言葉巧みで、スピーチは上手かったかもしれない。

しかし真理はそこにはない。

人々の心を打ち、正しい方向へ導いていくのはテクニックじゃないんだということを、この映画は教えてくれます。

ジョージ6世は、スピーチの技術レベルは高くはなかったかもしれない。けれども努力して、ひとりの人間として成長していった。

だからこそ、最終的には国民の胸を打つ、感動する言葉、スピーチが生まれたのだと思います。

アカデミー賞受賞のキャスト・スタッフ陣

「英国王のスピーチ」は、第83回米アカデミー賞で作品、監督、主演男優、脚本の4部門を受賞(その他8部門でノミネート)しています。

主演男優賞のコリン・ファース

ジョージ6世を演じるのはイギリスの名優コリン・ファース

「ブリジット・ジョーンズの日記」「マンマ・ミーア」「恋に落ちたシェイクスピア」など、日本でも人気の作品に数多く出演されています。

今作でアカデミー賞主演男優賞を受賞。誰もが納得の受賞と言えるでしょう。

実際のジョージ6世は、コリン・ファースが演じるほど吃音症は酷くなかったという話ですが、そこは多少の演出があったのでしょう。

それよりも評価すべきは、そういう表面的な部分ではなく、国王の人間性といった内面の難しい部分を、実に繊細に表現しているところでしょう。

また、言語療法士ライオネルを演じるジェフリー・ラッシュとの掛け合いは見応え充分です。

ジェフリー・ラッシュの職人技

ジェフリー・ラッシュ「パイレーツ・オブ・カリビアン」のバルボッサ役で日本でもお馴染みですね。

今作では派手なシーンこそ少なめですが、それでも言葉の応酬、駆け引き、間合い、その全てにおいて、まさにベテランの職人技を見せてくれます。

またコリン・ファース同様「恋に落ちたシェイクスピア」にも出演していました。

今作と「恋に落ちたシェイクスピア」の両方でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされています。

また今作ではプロデューサーのひとりとしても名を連ねています。映画人として多彩な方なのですね。

コリン・ファースとジェフリー・ラッシュ、この二人の名優の共演があったからこそ、この重厚な作品が生まれたと言えるでしょう。

吃音症だった脚本家デビッド・サイドラー

脚本を担当したデビッド・サイドラー自身、若い頃に吃音症で悩んだ経験の持ち主でした。

自身の経験に基づいた今作だったのですが、企画から実際に制作されるまで、実に数十年と費やされているそうです。

扱う内容が、英王室のとてもナイーブな問題だったからということも関係しているのでしょう。

ジョージ6世の妻のエリザベス皇太后存命中は公開しないで欲しいという意向もあったようです。

また、ライオネルとジョージ6世の間でかわされた大量の往復書簡が、貴重な資料として脚本に生かされているそうです。

フランシス・フォード・コッポラ監督とは高校の同級生だというデビッド・サイドラー。

今作で最年長のアカデミー賞脚本賞受賞者となりました。

監督は「レミゼ」のトム・フーパー

今作でアカデミー賞監督賞を受賞したトム・フーパーは、当時まだ30代の若手監督でした。

オックスフォード大学出身の知性派監督は、テレビドラマからスタートし、エミー賞やゴールデングローブ賞など名だたる賞を受賞。

そして、劇場映画は3作目でのアカデミー賞受賞の若き実力派です。

その後、ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイら豪華キャストで映画化された「レ・ミゼラブル」の監督も務めています。

また「レミゼ」同様、ミュージカル作品を映画化した「キャッツ」も手掛けています。

日本での知名度は、まだそれほど高くないかもしれませんが、今後、最も注目される監督の一人と言って間違いないでしょう。

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時代を超える言葉の持つ力

言葉の持つ力というのは、いつの時代でも大きいと思います。

特に世の中が混乱している時代というのは、言葉の持つ重要性、力というのは強大なものになってくると思います。

『英国王のスピーチ」は、少し前の作品ですが、今こそ求められる真のリーダーの言葉という意味では、とても考えさせられる作品です。

また単にスピーチの問題に留まらず、真のリーダーとはどういう人なのかというところまで、深く考えさせてくれる映画なのではないかと思います。

言葉同様、良い映画は、時代を超えて人々の心を打つ普遍的なテーマがあります。

ぜひ、今の世界の状況と、そして、自分の周りの状況とも照らし合わせながら観ていただけたらなと思います。

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(本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXTサイトにてご確認ください)

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